森本英介は、五年間も東京で浪人暮しをしており、郷里で病院を経営する父とは、裏口入学のことでモメて以来、音信がない。ある夜、鎌倉で、英介は暴走族のリーダーと喧嘩になり、海に潜って、先に顔を上げた方が敗けという勝負をした。翌日、英介は予備校で有島佳という女の子に声をかけられる。彼女は昨夜の一部始終を見ており、一緒にいた桑田敦夫と、英介の真似をして、心中と間違えられたという。いきなり話しかけられてとまどう英介は、ホテルのボーイをしながら予備校に通っていることを彼女に話す。佳は、この夏、釧路から夏期講習を受けるために上京し、姉・悠のところに居候していた。桑田は同じ予備校に通う二浪の男だ。ところで、佳は...